2010-02-22

エビチリ and the Secret Weapon

      
      
エビチリを作る。
あの甘酸っぱいケチャップ味がダメで
外ではほとんど頼まないメニューなんですが。
でも自分で作る場合は調整できますからね。
ケチャップ少なめ砂糖少なめで、
かわりにあの“秘密兵器”を効かせてみよう。
      
京華樓の「老油醤」
      
豆板醤に干し貝柱や干し海老のうまみをプラスした調味料です。
当然、海鮮素材にはぴったり。
まさにエビチリのためにあるような調味料じゃないですか。
普通の豆板醤より辛さがひかえめで
辛いものが苦手なパートナー的にもグッド。
うまいです。
      
そうそう、もう一つ気に入っているのが
オカケンスープの「鶏と豚のスープの素」。
顆粒のガラスープなどとは比べものにならないおいしさです。
深みがあって上品。
顆粒みたいに塩分がむやみに強くないのもよろしい。
      













                          
どちらも先月、横浜中華街へ行ったときに買ってきました。
それぞれ国内で作られているものだし
中華街じゃなくても売っているのかもしれません。
“秘密兵器”ってほどのものじゃないですね。
ってか、オカケンって新潟の会社じゃないですか。
まあ、ネットで買えるようなので次からはそうしよう。
      
で、こちらが完成品。
奥はゆで鶏。たっぷりのレタス・キュウリとともに
山椒を効かせたネギソースで。
そして豆腐と椎茸のスープ。
ゆで鶏で取れたスープを使っているので
今回はオカケンの出番なし。
      













                          
BGMは何にしようか迷ったあげく
“エビ繋がり”でHatfield and the Northのファースト・アルバムに。
しかし2曲目、リチャード・シンクレアの
思いっきりダウナーなボーカルで脱力。
強火でガンガンいく中華のリズムじゃないっす。
ヘッダーの画像でお察しの通り
(と言ってどのくらいの人がわかってくれるのか…)
カンタベリーに心奪われてウン十年、というわたしですが
料理のBGMとなると別なんですね。
      
エビとの繋がり?
もちろん、13曲目の「Lobster in Cleavage Probe」に
かけてるわけですが…
      
最初からムリがあったのか〜?
      
      
      
      

2010-02-18

雑感。

      
      
ほんと、スポーツってのはこれだからたまらない。
      
14日に行われたNBAオールスターゲーム。
      
最終スコアは「EAST」141/「WEST」139。
ディフェンスもゆるゆるで、バカスカ点の取り合いしてるのに
なんで第4クォーター、残りわずか7秒できっちり同点になっちゃうわけ?
気楽に観ていたお祭りも最後はちゃーんと手に汗握る展開。
いろんな意味で、さすが。
      
バンクーバーオリンピックの女子カーリング、対アメリカ戦。
      
思わず数えてしまいましたよ。
1チーム4人が相手と交互にそれぞれ2投して1エンド。2×8で16投。
それが10エンドで×10、160投。
1試合そんなにたくさん投げるのに勝負を決めるのは最後の最後、160投め、
しかも1cmとか2cmの差だったりするわけです。
うーん、しびれる。
      
──じゃあ、それまでの159投や3クオーターと11分53秒は意味ないじゃん、
てことじゃ、もちろんないんですね。あたりまえですが。
      
むしろそこまでのしのぎ合い、
さらには試合に望むまでの練習やいろいろなこと。
それらたくさんのものが積み重なっているからこそ、
ギリギリの数秒、数cmにわたしたちは感動するわけで。
      
つまり観る方も、ダイジェストで最後の1投だけ観てもしょうがないのだ。
      
かくして、毎朝出社時間がずるずる遅れる今日この頃です。
      
      
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浅倉久志さんが亡くなって
なんとなく虚脱状態が続いている。
自分でも少々意外な感じです。
(好きではありましたが)それほど強烈に意識していなかったのは
昨日ブログに上げたとおり。
年齢を考えたらそんなことあり得ないのに、
なぜか、ずっと変わらず、淡々と、そこに居続けてくれると
勝手に思いこんでいた。
      
こんなふうに考えたことはなかったけど…
      
もしかしたら、
今までの人生で一番たくさん読んだのは
ヴォネガットでもクラークでも澁澤龍彦でもなく
“浅倉久志の本”かもしれないなぁ。
      
      
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昨日作った「白菜とベーコンのクリームスープ」は
油断してベシャメル焦がしてしまった失敗作。
ほのかに苦みが…
      
それでも「おいしい」とほめてくれるパートナー。
「まずいならまずいと、ちゃんと指摘してくれ!」とは思うものの…

さすが、打たれ弱いわたしの性格をつかんでるわ。
      
      
      
      

2010-02-17

God Bless You, Mr.SF, or Goodbye, Blue Atmosphere

      
      
ネットのニュースで見たときは
思わず声をあげてしまいました。
       
数多くの海外SF作品の翻訳で知られる浅倉久志氏が
14日、心不全で亡くなりました。79歳でした。
      
浅倉久志──日本で海外SFを読む上では避けては通れない人です。
アーサー・C・クラークなどの巨匠はもちろん、
フィリップ・K・ディックやウィリアム・ギブスンの先鋭的な作品から
カート・ヴォネガット、R・A・ラファティなどとぼけた味のあるものまで
非常に幅広く手がけてきました。
      
とてもスマートで読みやすい文章。
すばらしい安定感。安心して読めるまさに浅倉印。
本来、こういう資質こそ翻訳者に求められるものではないでしょうか。
もし、はじめて海外SFを読む人に「おすすめは?」と訊かれたら
クラークでもティプトリー・Jr.でもなんでもいいから
とにかくこの人の訳書を渡すのがいいかもしれません。
(実際には、個人的に思い入れてるバリバリのハードSFで
さんざん失敗しているのですが〈涙〉)
      
もちろんわたしもたくさん読みました。
      
ギブスンが始めて日本に紹介されたとき、
じつはわたしも黒丸尚氏の(革命的な)訳が苦手で
途中で放り出してしまったクチなんですよね。
でも浅倉さんが訳すようになってからはギブソンは大好きな作家になりました
(訳者交代は残念ながら黒丸さんが早くに亡くなられたためでしたが…)。
そういえばギブスンが“Google”を動詞として使っていたのを
当時すでにすでに一般化しつつあった“ググる”とせず
“グーグルする”と訳したのは「パターン・レコグニション」でしたっけ。
スラングが多用されるギブスン作品ですから
さすがにわたしもこれは“ググる”でいいだろう、と思いましたが
(本人もあとがきで悩んだと吐露してます)、
今にして思えばそれも“あらゆる人に読みやすい”翻訳のために
心をくだいた結果だったのかもしれません。
      
そして、おそらくこういう人は多いでしょう。
そう、わたしにとっても、浅倉久志といえばヴォネガット。
この二人、わたしの中では二人で一人、
切っても切れない不可分の存在になっています。
もう、往年の藤子不二雄というか。
作家と訳者をそんなふうに例えちゃいけないのかもしれませんが
ヴォネガットと組んだときの浅倉さんには
いつもの“安定感”を超えて、何か化学反応が起きていたように思うんです。
どこまでがヴォネガット節でどこからが浅倉節かなんて関係なく
この“二人の文章”には間違いなく独特のリズムがあるんですね
(いや「母なる夜」や「スローターハウス5」もいいんですが…〈汗〉)。
ヴォネガットが亡くなったときももちろん悲しかったけど
すでに断筆宣言してしばらく経っていたし、
年齢も年齢で正直少し覚悟していたようなところはありました。
さらに本音を言えば、浅倉さんさえいてくれたら
未訳の作品が今までと変わらぬタッチで読めるかもしれない
という期待が持てたんですよね(実際それは実現されるわけですが)。
でももう、それも永久になくなってしまいました。
      
先月は、やっぱりわたしの大好きな翻訳者、小隅黎氏が亡くなったばかり。
学生のころ読んだ「造物主の掟」(J・P・ホーガン)を再読しているところでした。
もし好きなSF翻訳者を一人だけ、と問われれば
(多少のノスタルジーを込めつつも)迷いなく小隅黎!と答えるでしょう。
それはこれからも変わらないと思います。
でも浅倉さんの訃報を知ったあとの、小隅さんのときとは少し違う喪失感を
なんと表現したらいいのでしょうか。
      
SFを読み始めたころから、空気のように当たり前にそこにあって、
でも何物にも替えがたい大切な存在を、
ある日突然なくしてしまったかのような感覚。
そして、なくしてあらためて感じるその空気の
なんと端麗で清々しかったことか。
      
      
謹んでご冥福をお祈りいたします。
      
      
      
      

2010-02-15

一段一段でいいじゃない。

      
      
日曜は朝からテレビにかぶりつき。
モーグルの上村愛子選手、残念でした!
素人目には手堅くまとめに行き過ぎたような印象を受けましたが、
彼女の前の選手の好タイムを意識しすぎたのか
後続の選手が続けて滑走失敗したところを見ると
作戦的にはあれでよかったのかも。
ただ最後の2人がすごすぎました。
女子モーグルもパワーの時代になっていますね。
      
で、昼飯は観戦の合間に家であんかけ焼きそば。
具材は白菜、ネギ、ピーマン、椎茸、豚バラ…
ありゃりゃ。ニンジン入れ忘れとるじゃないですか。
                         













                         
…最近この手のことがよくあります。
何か他のことをしていてつい忘れちゃう、
というならいざ知らず
まさに料理に集中しているはずなのにこの体たらく。
これはヤバイのでは?
料理はボケ防止にならないの?
      
ともあれ、失敗はすぐに取り返さないと!
わたしも一段一段登っていくのだ。
パートナーには悪いが
また近いうちにあんかけ焼きそば食べてもらうよ。
      
向上心? 完璧主義?
      
いやいや、変に神経質で意固地なのは
これまた老化の始まりなのかもしれないな…
      
      
      
      

2010-02-13

がんばれNIPPON、メダルRUSH!──「Test for Ecoh」Rush──

      
      
わたしのパートナーの目下の趣味は“体動かす系”
(そしてハワイについてのいろいろ)。
こちらがその彼女のブログ「濃いめの顔で北国育ち。
      
いやね、わたしだってスポーツ好きなんですよ。
しかし──
草野球をやらなくなって十数年がたち…
久しぶりにバスケをしてアキレス腱ぶち切ったのは厄年の時…
プロフィールでご紹介したとおりジムに入っても幽霊会員…
      
体がついていかない最近は、もっぱら観るだけで楽しんでおります(苦笑)。
      
今日からバンクーバーオリンピックが始まりました。
しばらくはまた、寝不足の日々ですね。
      
それはさておき
11日のブログでも少し触れましたが、
バンクーバーといえばカナダ、カナダといえばラッシュ、
というのがこの世界では常識でございます(笑)。
中でも、バンクーバーオリンピックのロゴマークに描かれている
石を積み上げた像──イヌクシュクというそうですが──を見て
このアルバムを手に取った人は多いはず。
      














      
「テスト・フォー・エコー」
      
90年代以降のラッシュのアルバムでは一番聴いているアルバム。
前作「カウンターパーツ」もハードロックの好盤だと思いますが、
そこにキャッチーなメロディが加わり、さらにバラエティに富んだ印象。
全体的に明るい感じの曲調が多いですね。
スケール感のあるアレンジなどに若干におう瞬間はあるものの、
70年代のころのプログレ風味はもはやほとんどありません。
まあ、もともとラッシュをプログレとして聴いていないので
まったく問題なし。
      
1曲目はタイトルナンバー「テスト・フォー・エコー」。
鋭く緩急切り返しながら展開するドラマチックな曲。
決してプログレ的ではないけれど、こういうところは
やはり凡百のハードロック・バンドとは一味違います。
      
「ハーフ・ザ・ワールド」は
“世界の半分は忌み嫌う、嘘をつく、奪い去る、…”
なんていう内容の歌なのに、わりと明るくさらっと歌われている。
世界のもう半分に希望を託している…、というか
その半分があるから大丈夫だ、と確信しているかのようです。
      
「トーテム」。
“わたしの心の中にはあらゆる神や偶像や聖堂がある”という曲。
わたしには、ある意味開き直った
“無神論者のための応援歌”に聞こえるのですがいかが?
      
「リジスト」。
ラッシュの“しみじみ感動路線”。
いや、こういうの好きなんですがね。
「デファレント・ストリングス」(パーマネント・ウエーブズ)や
「ノーバディーズ・ヒーロー」(カウンターパーツ)みたいな。
余談ですが、このアルバム後の2作はメロディが致命的に弱いと思う。
ラッシュ史上最高にソリッドな音には力があふれ、
「まだまだ終わってない(もちろん!)」と思わせるのに十分なのですが…
そこにこのような美しいメロディが戻ってくれば
また違う新たなラッシュが聴けるはず。
次作(いつになるのか?)には密かに期待しているのですが、はたして。
      
…何曲かピックアップしてみましたが
アルバム総じてポジティブなエネルギーが伝わってきます。
よくニール・パートの歌詞は哲学的とか難解とか言われますが
このように明るい曲調でプレゼンテーションされるからこそいいのでしょうね。
隠喩に満ちた言葉の向こうから、人生を肯定的に捉えようという
メッセージが浮かび上がってくるような気がします。
(とはいえ英語などまったくわからないので
歌詞カードを読んでの感想でしかありませんが〈涙〉)
    ※上記歌詞の内容に関しては日本版ライナーノートの訳を
     参考に要約させていただきました。
      
わたしにっとてそういう前向きなところがラッシュの魅力。
ラッシュでも聴いて仕事がんばろっか、的な。
もちろん、料理しながらでもばっちり(笑)。
      
      
バンクーバーの選手団にも聴いてほしいぞ!
      
      
      
      

2010-02-11

作るなーらカルボナーラ

      
      
建国記念日で仕事は休み。
パートナーは友人に招かれてひとり出掛けてしまったし、
久々にじっくり音楽鑑賞といきますか。
    
今日は“バンクーバーオリンピック開催記念! RUSHまつり”(笑)。
「カウンターパーツ」以降のスタジオ作をイッキ聴きだぜ。
  
さて。
一日中オーディオの前に座りっぱなしとはいえ、腹は空くもの…。
ただ家には野菜もほとんど残ってないし買い物に出るのもめんどうだ。
晩飯はひとりだしなあ。
そう、こんな時こそカルボナーラ。
買い置きしてあるもので作れます。
     
思うにこのカルボナーラ、わたしのような料理初心者が
最初にぶつかる壁のようなものじゃないですかね。
ソースのトロっと具合がなかなか難しい。
ありがちなのが“炒り卵パスタ”になっちゃうパターン。
あと、塩気の多い食材を使うので
全体の塩加減がうまく決まらなかったり。
  
あくまで現時点の、ではありますが、そこそこ試行錯誤を繰り返し
初心者が初心者なりに到達した
カルボナーラ・レシピを記してみたいと思います。
                    













                        
材料(1人分)
スパゲティ(1.7mm以上あるいはフェットチーネ) 80g
パンチェッタ(拍子切りに) 30g
■全卵 1個
■卵黄 1個
■パルミジャーノ(おろしたもの) 大さじ1
■ペコリーノ・ロマーノ(おろしたもの) 大さじ1
■エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル 大さじ1
■黒コショウ たっぷり
ニンニク(みじん切り) 1片
ピュア・オリーブオイル 大さじ2
白ワイン 大さじ2
水(パスタ茹で用) 2.5L
塩(パスタ茹で用) 25g
   
作り方
1. ■の材料をボウルに入れよく混ぜておく。
 卵はよくコシを切ること。
 こちらにもオリーブオイルを少し入れておくと
 卵が固まりにくくなるみたいです。
 白身をあまらせるのがイヤで全卵1個で作ることもありますが
 それだと少しコクが足りないんだよなあ…
2. パスタを茹でます。塩は1%。強火でぼこぼこ沸かしすぎないように。
 蓋はしないほうが火加減を見やすいし菜箸で混ぜやすい。
3. フライパンにピュアオリーブオイル(大さじ2)を入れ、
 パンチェッタを炒める。
4. しっかりと炒まったら一度火を止めて
 少しフライパンの温度が下がっってからニンニクを入れる。
 これはニンニクを焦がさないためですね。
5. ニンニクに香りが出たら再び火を付け
 白ワイン(大さじ2)・パスタの茹で汁(大さじ2)を足し
 アルコールをとばしつつ、鍋をゆすって乳化させる。
 あたりまえですが、フライパンの中に少し油分・水分があると
 卵が固まりにくいわけです。
6. 壁を越えられるか跳ね返されるか(笑)、ここからが勝負。
 パスタを表示時間より1分くらい早めにあげて湯をよく切り、
 フライパンにあけひと混ぜ。
 まずはパスタに乳化させたソースをまとわせておきます。
 ここでいったんフライパンを火からおろし、
 あらかじめ用意しておいた濡らした布巾の上に置いて深呼吸。
 神経を集中させましょう。
 いや、これはフライパンの温度を少し下げるためですが
 (このときコンロの火はつけたまま)。
7. 1.のボウルの中身をパスタの上に静かにそそぎ
 (鍋肌につかないように)、
 “ひたすら全力で”混ぜ合わせる!卵に固まるスキを与えない!
 ゆるいようならコンロにもどし、少し温めながら混ぜましょう。
 手の動きはさらに“高速”に!
 余熱でも固まっていくのであまり長く置かないで。
 少しゆるいかな~くらいで皿に盛ります。
 
 これで完成!
 あとは、卵ソースの状態が変わらないうちにさっさと食っちまうことですな。
 ホントはこんなふうに写真なんか撮ってるヒマはない(笑)。
    
ポイント
一番のコツはフライパンの温度調節だと思います。
そこでお勧めはアルミのフライパン。
熱しやすく冷めやすいので加減しやすいんですね。
絶対失敗しない方法で、パスタと卵液をボウルに入れて
湯煎しながら混ぜるってのもありますが、
ちょっと素人っぽいし(素人だろ!)。
ボウルひとつ、洗いものも増えるし(セコイ)。
やっぱりどうせ作るならフライパンで仕上げるテクニックを会得したい!
    
塩はパスタの茹で汁以外に使いません。
パンチェッタ、ペコリーノがけっこうしょっぱいので
上記の分量で塩分は十分だと思います。
    
あと、わが家のカルボナーラに生クリームは入りません。
本場ローマは入れないとかっていう話もあります。
でもまあ単に、わが家の冷蔵庫の中に
生クリームが入ってないっていうだけなんですね。
なんたって、このカルボナーラのテーマは
“買い物しないでクッキング”ですから。
   
   
   
   

2010-02-09

コウモリ傘との出会い。──「Them Crooked Vultures」Them Crooked Vultures ──





いきなりプログレじゃないし(笑)。

でも昨年12月に買って以来聴きまくってます。
レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、
フー・ファイターズのデイブ・グロール、
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム、
この3人からなるプロジェクト、ゼム・クルックド・バルチャーズ。
その初めてのアルバムですね。

そもそも、わたしは彼らのファンというわけではないんです。
メンツだけならたぶんスルー。
でもなぜか、衝動買いしてしまいました。
いわゆる「ジャケ買い」ってやつですか。
それにかなり近い。
これ、わたしにはとても珍しいことなんです。












                                    
もちろんカッコイイし、
なんとなく音のテイストをイメージできるいいジャケットなんだけど、
それだけじゃない何かそそられるものを感じる…
なんだろーなーと考えて、はっと思い当たったのが
うちの本棚で埃をかぶっていた古い本。
澁澤龍彦「幻想の画廊から」。
その中にいましたよ、鳥あたまの人間が。
スワンベルクの絵や
レオノール・フィニーが鳥の羽根で作った仮面はまさにそう。
そうかー、学生時代は澁澤さんにのめり込んでいたんだよなー。
「シュルレアリスム(シュール・リアリズムでなく〈笑〉)」は大好きだったし。
わたしの好みに通底していたんですね。

シュルレアリスムといえば…
CDのブックレットの中面には、鳥あたまの手に“コウモリ傘”が描かれています。
これもまた思い出しますね。
そう、例の「解剖台の上のミシンとコウモリ傘の出会いのように美しい」ってやつ。
少し調べてみると、この一節の原典ロートレアモンの「マルドールの歌」には、
“猛禽のように美しい”(大意)なんていうフレーズも出てくるらしい。
猛禽(ハゲタカ)とコウモリ傘。
“ミシン”の絵はないかと探してしまいましたが、
残念ながら他に描かれていたのは野球のバット。
この鳥あたまはきっと、尖った傘や重いバットで悪さをはたらくんでしょうな。
ミシンで裁縫するガラではなさそうだ。

肝心の音のほうはジャケット以上のカッコよさ。
ドラムはタイトの一言!
ベースは低く重いラインで全体を支え、
その上でひたすらリフを刻むことに徹するギター、あっぱれです。
とにかく、ゴリゴリと押しまくる印象的なリフがてんこ盛り。
こんなにリフがカッコイイのは
エアロの「ドロー・ザ・ライン」以来かな(古すぎ!)。
そんなオヤジ的には70年代っぽい音作りもポイント高し。
6曲目にチラッと入るクラビネットとか…胸キュンものですね(嗚呼、青春時代)。
リイシューじゃない、新作としては久々にハマったアルバムです。


ジャック・ブラック主演のおバカ(つーか“おおバカ”)映画
「テネイシャス・D」に出ていたデイブ・グロール。
ニルヴァーナとかフー・ファイターズとかちゃんと聴いていないわたしには、
イロモノと見紛うノリノリの悪魔役(笑)のビジュアルが
キョーレツに植え付けられちゃってるわけですが、
いやー、認識を改めないとねー。



2010-02-08

料理の道はプログレッシブ・ロックの道なり。



毎日毎日寒すぎる!
新潟で生まれ少年期を過ごしたにもかかわらず
いや、だからこそ、もう寒いのは懲り懲り!
春を待ち遠しく思いながら震えております。

そんな寒い日の夕食はやはり鍋ですかねー、と、定番の展開をしつつ、
こちらもわが家の定番、になりつつある「鶏団子鍋」。
週末に作りました。







画像を追加






                                 
まず昆布で引いたダシに味醂・酒でひと煮立ち、塩で薄めに味をつけて、
これをベースおよび継ぎ足し用のスープに。

団子は鶏挽肉に戻した干し椎茸とレンコンの粗みじんを混ぜ、風味と食感をプラス。
生姜の絞り汁・玉子・片栗粉・塩少々を加えてよく混ぜこみ、
しばし冷蔵庫で落ち着かせよう。

わが家は欲張りなんで鶏もも肉ぶつ切り(骨付き)も鍋に投入。
しっかり鶏ダシが出ます。
団子に使った干し椎茸の戻し汁も加えて。

具は他に水菜・きのこ類(舞茸・しめじ・えのき)・木綿豆腐・
拍子切りにしたたっぷりの大根。
そして焼いたネギ。
これは繊維を断ち切る方向に
細かく(0.5〜1mm間隔)直径の半分くらいまで包丁を入れて
長さ5〜6cmにぶつ切りにした長ネギを、少量の太白ごま油で焼き色をつけたもの。
以前、料理雑誌で読んだ方法です。
香ばしさとともに甘みが出てうまい!

味付けは基本、塩のみ。その代わり食べるときにはいろいろな薬味を。
まず、同量のレモン汁とごま油に
たっぷりのみじん長ネギを入れ塩胡椒した、ネギ塩ダレを用意。
そして、ゆず胡椒とかんずりも欠かせない。
かんずりってのは、コチュジャンのような唐辛子の調味料ですが
辛みが少しやわらかくゆずの香りもしてさわやか。
新潟の名産品だけど、
知ったのは東京に出てきて十数年もたってからであった…(不覚!)。
鍋にぴりっとアクセント。ぜひお試しを。


ちなみに団子に使った残りのレンコンは箸休めのきんぴらに。
繊維にそって大きめに切ることで食感がアップ!
これは有元葉子さんの本に書いてあったんだっけかな。
勉強になります!













                                    
ネットでも書籍でも鬼のように料理の作り方があふれてる今日この頃。
ちょっと調べればいろんなレシピが手に入ります。
そういうたくさんのレシピの中から、よさそうなところを
あちこちから引っぱって、加えて、組み立てて、というのがわたしのやり方。

クラシック、ジャズ、フォーク。
いろんな音楽を取り込んでいった、まさにプログレッシブ・ロックの方法論!

まあ、かなりこじつけですが。

でも時々、構想が膨れあがりすぎてえらい(調理)時間が長くなったり
いろんなことやりすぎてコテコテしつこくなっちゃうあたりは…。

…やっぱりプログレだわ。



2010-02-05

男子厨房で聴く。

       
       
そもそも、人の趣味なんてものは他人から見たら理解できないことが多いもの。
「なんで同じCDが何枚もあるの…???
(「CD」を「レコード」でも「DVD」でも「美少女フィギュア」でも
お好きなものに置き換えてください)」と訊く時の
パートナーの冷たい視線は誰しも憶えがあるのでは?
もちろん、すべて違うCDなんですよ!!!違うんだけど、
それが判別できるのは自分だけ。
かくして多くの趣味人は家庭内で孤立するわけですね。
幸運なことに、わたしのパートナーは理解ありますが
(これ一応言っとかないと〈汗〉)。

しかーし!
周りから理解どころか感謝さえしてもらえる趣味がありましたよ。
料理。これはいいですねー。
こんなに喜んでもらえるならもっと早く始めればよかった。
まだ始めて1年の超ビギナーですが、
とりあえずここまで飽きずに続いているのは人にほめてもらえるからかも。
やっぱり「次はもっとうまいと言わせてやろう」とか思うからね
(うまいこと乗せられてるような気もしなくはないけど…
気分いいしそれもまたよしってことで)。


そして、もう一つのモチベーションがこれ。
















                                    
むかーし使っていたBOSEとミニコンポをつないで
キッチンにセッティングしてみました。
これが大正解。

音楽聴きながらクッキング♪
最強です!



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