2010-02-09

コウモリ傘との出会い。──「Them Crooked Vultures」Them Crooked Vultures ──





いきなりプログレじゃないし(笑)。

でも昨年12月に買って以来聴きまくってます。
レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、
フー・ファイターズのデイブ・グロール、
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム、
この3人からなるプロジェクト、ゼム・クルックド・バルチャーズ。
その初めてのアルバムですね。

そもそも、わたしは彼らのファンというわけではないんです。
メンツだけならたぶんスルー。
でもなぜか、衝動買いしてしまいました。
いわゆる「ジャケ買い」ってやつですか。
それにかなり近い。
これ、わたしにはとても珍しいことなんです。












                                    
もちろんカッコイイし、
なんとなく音のテイストをイメージできるいいジャケットなんだけど、
それだけじゃない何かそそられるものを感じる…
なんだろーなーと考えて、はっと思い当たったのが
うちの本棚で埃をかぶっていた古い本。
澁澤龍彦「幻想の画廊から」。
その中にいましたよ、鳥あたまの人間が。
スワンベルクの絵や
レオノール・フィニーが鳥の羽根で作った仮面はまさにそう。
そうかー、学生時代は澁澤さんにのめり込んでいたんだよなー。
「シュルレアリスム(シュール・リアリズムでなく〈笑〉)」は大好きだったし。
わたしの好みに通底していたんですね。

シュルレアリスムといえば…
CDのブックレットの中面には、鳥あたまの手に“コウモリ傘”が描かれています。
これもまた思い出しますね。
そう、例の「解剖台の上のミシンとコウモリ傘の出会いのように美しい」ってやつ。
少し調べてみると、この一節の原典ロートレアモンの「マルドールの歌」には、
“猛禽のように美しい”(大意)なんていうフレーズも出てくるらしい。
猛禽(ハゲタカ)とコウモリ傘。
“ミシン”の絵はないかと探してしまいましたが、
残念ながら他に描かれていたのは野球のバット。
この鳥あたまはきっと、尖った傘や重いバットで悪さをはたらくんでしょうな。
ミシンで裁縫するガラではなさそうだ。

肝心の音のほうはジャケット以上のカッコよさ。
ドラムはタイトの一言!
ベースは低く重いラインで全体を支え、
その上でひたすらリフを刻むことに徹するギター、あっぱれです。
とにかく、ゴリゴリと押しまくる印象的なリフがてんこ盛り。
こんなにリフがカッコイイのは
エアロの「ドロー・ザ・ライン」以来かな(古すぎ!)。
そんなオヤジ的には70年代っぽい音作りもポイント高し。
6曲目にチラッと入るクラビネットとか…胸キュンものですね(嗚呼、青春時代)。
リイシューじゃない、新作としては久々にハマったアルバムです。


ジャック・ブラック主演のおバカ(つーか“おおバカ”)映画
「テネイシャス・D」に出ていたデイブ・グロール。
ニルヴァーナとかフー・ファイターズとかちゃんと聴いていないわたしには、
イロモノと見紛うノリノリの悪魔役(笑)のビジュアルが
キョーレツに植え付けられちゃってるわけですが、
いやー、認識を改めないとねー。



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