2010-10-13

誕生日のプレゼントなにがいい?

      
      
いやあ、ありがたいですなあ。
新婚とはいえ、付き合って10年以上の間柄。
パートナーからいまだにこんな言葉をもらえるなんて。
      
てなわけで二人で買い物に行ってきました。
どこへ?
夢のワンダーランド、合羽橋ですがな。
      
それにしても楽しすぎますな〜、合羽橋。
あれもこれも欲しくなっちゃうけど
この日は前から欲しかった寸胴鍋狙い。
まっすぐ中尾アルミのアンテナショップ、「お鍋の博物館」へ。
      
このお店、1階にもさまざまな鍋が並んでますが
店員さんに通された地下が圧巻です。
床から天井、棚という棚に鍋鍋鍋……。
あまりの数に素人ではとうてい選べそうにありません。
ここは素直に店員さんが勧める使い勝手のよさそうなアルミの中寸胴に決定。
他にもスープなんかにぴったりな片手鍋も購入。
よっ、勧め上手。
      
じつはこちら、わたしたちの結婚パーティーのときに
司会をお願いしたHさんと親しくされているというお店。
会計の時にその話をしたらなんと、かわいい雪平をおまけしてくれる大サービス。
(わたしたちがこの日店に行くことを通してくれてたんですね)
とてもおまけをもらえるほどの買い物はしてないんだけど……。
ただひたすら恐縮です。
      
↓ この日の戦果。
 鍋の他はグレーターにホーローのタッパー……
 我ながら涙が出るほど実用的……













                              
新しいタッパーは何のために買ったかというと
これでパンチェッタを作ろうかと。
ずいぶん前の「danchu」に作り方が載っていたんですが、
今までは作るに作れなかったんですよ。
冷蔵庫が小さすぎて大きなタッパーが入らないという
なんとも情けない理由で……
しかーし!今わが家には友人たちが結婚祝いに買ってくれた大きな冷蔵庫が!
これで念願のパンチェッタ作りができます。
ありがとう!友よ!
      
↓ 豚バラ肉に塩・胡椒して冷蔵庫に1日置く。
 まあ試作品ということでまずはこのくらいの大きさから……













                              
↓ 翌日、下に落ちた水を捨て、表面の水分もよく拭き取ってハーブをまぶす。
 今回わたしが試したのはあらかじめドライにしておいたタイムとローズマリー。
 そしてシナモン少々・スターアニス少々。それを脱水シートにくるみ、
 2〜3日ごとに取り替えながら3週間熟成させるとできあがるらしい。
 写真は現在(ほぼ10日経過)のもの。
 うまくいってるのかいってないのか自分でもよくわからん……













                              
なんだか昆虫のサナギが羽化するのを見守ってるようなワクワク感。
こんなのは子供の頃以来?
みんなからいろんなものもらって楽しんでるなあ、自分。
      
特にこのたびの結婚では
他にもいろいろな方々からいろいろなものをいただきました。
もう10月、ちょっと遅くなりましたがここに感謝の意を。
      
そしてパートナーにも、あらためてありがとう……
      
……え、もう10月?
再来月にはクリスマスじゃないの。
      
やっぱり人生、もらってばかりとはいかないようで……。
      
      
      
      

2010-10-04

キースといえば?

       
       
エマーソン。こう答えたあなたはエライ。
ちゃんと頭脳改革されてますね。
これからもプログレ者の鑑として堂々と突き進んでいってください。
       
ティペット。こう答える方も多いでしょう。
あなたも正しい。
でもちょっと周りからは小難しいオッサンと思われてるかも。
“1曲50分超・全篇ピアノソロ即興”とか、人に聴かせたりしてませんか?
       
リチャーズ…。このブログ的には何も申し上げることはありません…。
常識ある社会人としてまっとうな人生を歩んでください。
       
…とまあ、キースといってもいろいろですが、
今日のお題、キースはキースでも
キース・ジャレットなのであります。
       
去る9月29日、オーチャード・ホールにて行われた
キース・ジャレットのトリオ(巷にいう“スタンダーズ・トリオ”ですね)による
公演に行ってきました。
       
キース・ジャレット…。いわずと知れたジャズの名ピアニスト。
わたしはアルバム2枚くらいしか持ってないニワカファンですが、
彼の音楽はぜひライブで聴きたい!と
パートナー&音楽好きの先輩方を誘って行くことにした次第。
トリオの他2人、
ゲイリー・ピーコックとジャック・ディジョネットにも興味あったしね。
       
この2人、ジャレット以外でもECMでいろんな人と共演してるので
耳にする機会は多いミュージシャンです。
ただ、今までは“好きなミュージシャンのアルバムを買ったら
たまたまこの人たちが共演していた”って感じだったので
正直あんまり気合い入れて聴いてなかった…(笑)
これを機会にちゃんと聴いてみよう。
       
ちなみにプログレ的にムリヤリこじつけると…
ゲイリー・ピーコックはビル・ブラッフォードのソロに参加していた
アネット・ピーコックの昔の旦那さんですね(遠い!)。
ジャズ・ロック的にはディジョネットが
英ジャズ界の第一人者ジョン・サーマンとの共演多し。
ブラッフォードのソロで思い出しましたが、
ケニー・ホイーラーのアルバムでもドラム叩いてます(これも遠いか…)。
       
さてさて、コンサートのほうはとういうと、
これはもう、すばらしいの一言。
ピアノ、ベース、ドラムスのアコースティック編成で
もっともオーソドックスかつ基本的なカタチのジャズ・トリオ。
これでいわゆるスタンダード・ナンバーを演奏します。
普通こう聞くと「たいくつじゃね?」とか思ってしまうものですが、
それがまったく違います。
そもそもスタンダードといっても、完全に彼らによって再解釈されたもの。
それはキースを中心に即興で紡がれていきます。
こうして演奏されるスタンダードは
一音一音がそこにあるべくしてある厳しい音の連なり。
そうあってこそ奏でることができる感情の起伏。
緊張感と心ふるわす感動が入り交じった、豊かな音楽。
“たいくつ”なんかとはまったく真逆に位置する音楽なのです。
そういった(ともすると矛盾しかねない)感覚を、
耳から聴き頭で理解するだけではなく、
“空気”として身体で納得できたのはやはりライブだからこそ。
いや〜、やっぱ行ってよかったな〜。
       
↓コンサート終了後出入り口に貼り出されたセットリスト。
まだ曲目不明なところが…(笑)。
アンコールは2曲やりましたよ。






















                               
残念だったのは…
シンバルやハイハットがえらく反響して耳障りだった…。
クラシックもやるんだよねぇ、あそこ。
あんなんで大丈夫なんでしょうか?
       
コンサート後は神山町のADAN OHANA GALLERYで食事。
締めには鯛めし。













                                   
じつは9月29日はわたしの誕生日。
先輩2人にごちそうになってしまいました。
ごちそうさまでした!
       
       
       
       

2010-09-29

イタリアン・レッスン(基本のトマトソース)

      
      
いやはや久しぶりのブログ更新。
この不景気にめずらしく仕事が立て込んじゃって。
ブログも料理も滞ってしまいましたわ。
      
そんな中、久しぶりにトマトソースの仕込みができました。
パスタ率の高いわが家、ずっと欠品していた必需品がやっと作れた。
ってことで今回はそのトマトソースレシピをアップしましょうか。
先日、数少ない当ブログの読者である友人に
「最近プログレやらSFやらでちっとも“わが家のメシ”じゃないじゃんよ」
とお叱りも受けちゃったしね。
      
トマトソース…
基本的にはトマト缶を煮詰めればいいだけのモノなんですが
これが調べると、けっこう千差万別なんですね。
作る人によっていろいろ違っていたりするわけです。
わたしも最初はある料理本のレシピを参考に作り始めましたが、
自分の好みだったり材料の制約だったりいろいろな要因がからんで
何度も作るうちに少しずつ変わってきました。
いわゆる「わが家の味」になってきたようなこないような。
まあこれが正解ってもんはありませんから、今後も変わっていくかもしれません。
こじつけるならばこれもプログレス!
いや〜、単純ですが奥が深いですぞ、トマトソース。
      
トマトソースの作り方(わたしがいつも作ってる分量)
①タマネギ(中くらいの大きさ)半分をみじんにする。
 わたしはフードプロセッサーを使ってかなり細かくしています。
 ただし、あくまで「みじん切り」。
 「ピューレ」になってしまわないように加減しましょう。
②厚手の鍋にオリーブオイルを大さじ2杯と潰したニンニク1片を入れ、
 弱火でオイルに香りを移す。この時ぜったい焦がさないこと。
 後でいろいろな料理に使いますし、香りはその時に加えることもできるので
 ここではあまり強く付ける必要はありません(焦げたにおいはなおのこと)。
③香りが出たらニンニクを取りだし、①のタマネギを入れ、
 時間をかけて炒めます。もちろん弱火。甘みとコクを十分引き出すのと、
 トマトの果肉以外の余計な食感を残さないために、
 いわゆる飴色のペースト状になるまでじっくり加熱しましょう。
④その間にホールトマト缶(400cc)を3缶あけ、ざるで濾し種を取ります。
 種はえぐみの元なので面倒ですが取るべき。あと、皮やヘタ、青っぽいスジも
 けっこう入ってるのでもちろんこれらも取り除く。
 わたしがよく使うアナリサのDOPは特にこれらの混入率が高いような気が…。
 以前、1個まるまる皮をかぶったものが出てきたことがありました
 (いやあイタリア人、おおらかというかテキトーというか)。
 もろもろきれいに取り除いたら、実を軽く潰しておきましょう。
 …おっと、ホールトマトの下処理をしながらも、
 ③の鍋からは目を離さないように!
 最初はわりとほうっておいても大丈夫ですが、
 うっすら色づき始めるとにわかに焦げやすくなるので注意。
 まめに混ぜながら作業しましょう。
⑤タマネギ、しっかり飴色&ペースト状になったでしょうか?
 ならない人は火が強いかみじんが粗いか。
 あとオイルの量が多すぎたり少なすぎたりしてもダメですね。
 上記の分量で気長にやれば必ずなるはず。
 そしたら④の下処理済みのホールトマトを鍋にあけます。
 塩分は後の料理のときに入れるのでここで塩は入れません。
 ひと混ぜし、ブーケガルニを放り込んで弱火で30分ほど煮込みます。
 ブーケガルニはあらかじめ準備しておきましょう。
 材料 ■ローリエの葉1枚■バジルの茎5〜6cm・2〜3本(スーパーで
 太い茎の付いているものを選ぼう!)■パセリの茎同じくらい
 ■セロリの茎(先のほうの細いところでOK)5〜6cm・1〜2本
 ■厚めにむいたニンジンの皮これも5〜6cmぐらい。
 以上を糸でぐるっと縛ってできあがり。
 全部そろわなくてもいいですが、
 ローリエとバジルはあった方がいいんじゃないかな。
⑥30分経ったら火を止め、冷まします。
 すぐ使ってもいいけど、一晩ぐらいは置いたほうが
 味が落ち着いて深みも出ます。
 わたしは冷めたら125ccずつに小分けにして冷凍してしまうことが多いです
 (カポナータを作る予定のあるときは400cc別に取っておいたりもしますが)。
 125ccっていってもちゃんと計ってるわけじゃなくて
 レードル(50cc)2杯半ってことね。
 これがわが家でトマトソース系パスタを作るときの1人前の分量
 (ちなみにわが家のパスタは1人前ちょっと多目の90g)。
 このレシピの量でだいたい7人分ほど取れるはず。
 中途半端に余った分はミネストローネにでも使ってください。













                              
これがわが家のトマトソース。
といっても比較的オーソドックスな作り方ではないでしょうか。
あえて言うならテーマは「ていねいに」。
ちょっと時間はかかるけど音楽でも聴きながら楽しくやりましょう。
面倒な種取りには秘密兵器!ソフト・マシーンの「セブン」がうってつけ。
頭から終わりまで執拗に続く変拍子リフの酩酊感で作業にどっぷり没入。
時間感覚も麻痺しあっという間に終わってしまうこと受けあいですぜ。
      
てなわけで今日のタイトルは、その「セブン」の中の
「ジャーマン・レッスン」「フレンチ・レッスン」
といういう曲名にかけてみたわけですが…
ダジャレのネタを説明するなんて、これほど情けないこともありませんな。
たださすがに今回はわかりにくいだろうと…
わざわざ言わなきゃわからないタイトルなんかつけるなって話なんですけど。
      
とまあ、やっぱり最後はプログレの話になるんだよね。
      
      
      
      

2010-08-24

Heads are Burning! 〜燃ゆるご同輩〜

      
      
フジロックやサマー・ソニック。
若い音楽ファンにとって、夏はフェスティバルの季節。
わたしのようなおっさんにはあまり関係のない話だと思ってましたが
どうも今年あたりは様相が変わってきたようで。
      
フジロックにロキシー・ミュージック、サマソニにスティービー・ワンダーが参戦。
あきらかにおっさんの財布の中身を狙ってる臭いがぷんぷんします(笑)。
      
しかし頭ではそんな“仕掛け”がわかっていても、
手が勝手に財布の紐をゆるめてしまうのもまた、おっさんのサガでして。
ただ、さすがにロキシーのためだけに苗場には行けません。
そんな「夏フェス・ヴァージン」のおっさんにうってつけの企画が
22日、日比谷野外音楽堂で行われました。
      
「PROGRESSIVE ROCK FES 2010 プログレッシブ・ロックの祭典
〜めくるめく音世界への誘(いざな)い〜」
      
なんと日本で初めてのプログレッシブ・ロックのフェスティバルです。
      
参加ミュージシャンは四人囃子、ルネッサンス、スティーブ・ハケット・バンド。
3組だけっていうのがフェスとしてはちょっとさみしい気もしますが
まあ、最初ですから(次はあるのか?)。
      
てなわけで、このブログでももうおなじみ(?)、
プログレとモルトとアロハシャツをこよなく愛するYさんと二人、
行ってきました。
      
PM3:30 野音到着。
予想はしてましたが、まだまだ強い陽差しの照りつける座席は
ものすごい温度です。もちろんまわりはおっさんおっさんおっさんの大群。
危険!太陽光線に“地肌”を直撃される人多し!
思わず熱中症で搬送される人の出ないよう祈る…
わたしも帽子持ってきてよかったですわ。
      
まず一組目、四人囃子の演奏です。
すみません、不勉強で「日本の伝説のプログレ・バンド」
ということぐらいしか知りません。
音を聴くことすら初めてでしたが、かっこいい。なんか勢いがあります。
もちろんわたしらよりぜんぜん年上ですが、若々しいパワーが漲ってました。
日本のオヤジもまだまだがんばらねば。
      
続いてはルネッサンス。
ルネッサンスといえば一にも二にもアニーの歌声。
アニーといっても築地の卵焼き屋ではありませんぞ。
アニー・ハズラム。シルクのようなエンジェル・ヴォイスで魅了する
プログレ界屈指の歌姫です。
前回の来日のときは行ってないので
ソロ・アルバム(「ブレッシング・イン・ディスガイズ」)の
ジャケ写(ハイキーの加工がちょっとわざとらしい)が
わたしの頭の中のアニー直近の姿(それでも早16年前…)。













                         
おおお… ステージ上に表れた姿のあまりの肝っ玉母さんぶりに時の残酷さを痛感。
思えばアニーも還暦をとうに超えてるはず。
あの美声は聴けるのか? 不安が胸をかすめます。
      
しかし一発目、「プロローグ」の高音スキャットでそんな不安はふき飛びます。
すごい!伸びやかな高音が会場に響き渡る!
ある時はエネルギーにあふれ、ある時は優しく包み込むように歌う。
そのなんという圧倒的な存在感!(体型の話じゃないからね)
      
アンコール曲、「マザー・ロシア」。中盤の美しすぎるスキャット、
そしてクライマックスを朗々と歌い上げ、
そのままブレスなしでささやくようなフレーズを歌いきるエンディング。
全身鳥肌が立ち、不覚にも目頭が熱くなりましたよ。
Yさんと二人、ただただすごいの連呼。
      
フェス用の短いセットだったのがほんとに残念!
川崎のクラブ・チッタの単独ライブにも行きたかったですねー
(そちらが一般発売後すぐに完売してしまい、それでこっちを買ったのです)。
      
そしてトリはスティーブ・ハケット・バンド…… というところで、
MCのストレンジ・デイズ編集長、岩本晃市郎氏が
ジェネシス・ファンにはおなじみの
黒マントに逆三角のかぶり物をして登場、笑いを誘います。
でもどうせやるならマントの下に銀色のコスチュームを着ていて欲しかった!
そのくらいはやらないとあの場の客は楽しめませんぜ!
      
それはさておき、いよいよスティーブ・ハケット・バンド登場。
お、なんとハケットのほかにギターがもう一人います。
それも金髪でスタイルのいいおねーちゃん!
マイケル・ジャクソンといい、ジェフ・ベックといい
若い女性をバンドに加えるのが流行ってるんですかね。
しかし!あくまで演奏にこだわるのがプログレファン。
けっして姿形には騙されませんぞ!
…とかいいつつすでに目は釘付けになってるオヤジたち。
      
そんな彼女、残念ながら演奏自体は終始控えめ。
なんと言ってもギターはハケットがメインなわけですから、これは仕方ないでしょう。
ただし、ヴォーカル(コーラス)としての貢献度は大。
そしてこのバンド、キーボード以外みんな歌うんですね。
音域が狭く正直あまりうまくないハケットのヴォーカルをみんなで盛り立てます。
      
じつはソロになってからのハケットをそれほど熱心に聴いていなかったわたし。
初期を中心に数枚しか持ってません。
その原因の一つが、たまに入る彼のヴォーカルでした。
「自分で歌わなきゃいいのに」とずっと思っていたんですね。
ギター・サウンドや紡ぐメロディーのすばらしさには
文句の付けようがないんですから…
(その証拠(?)に、3人のすばらしいゲスト・ヴォーカリストを立てた
2枚目の「プリーズ・ドント・タッチ」は
むしろわたしのフェイバリットの一つになっているほどです)
      
しかし今回のライブでは“ほぼ全員コーラス”の力業で
ヴォーカルの弱さを克服。さらに演奏のよさ
(なかなか手数王のドラムとリッケンをバキバキ弾き倒すベース!)
との相乗効果で大迫力のかっこよさです。
      
そして言うまでもなく、ハケットのギターは唯一無二。
      
「フライ・オン・ア・ウインドシールド」では
“やっぱりジェネシスのギターはこの音じゃないとダメなんだ”と
しみじみ再認識。
そして曲の後半、ドラマーがリード・ボーカルを取り始めます。
ここでも“やっぱりジェネシスのヴォーカルは…”と一瞬頭をよぎりますが
まあそれは言わぬが花でしょう。
あんな絶対的カリスマ変態ヴォーカリストと比べられたらかわいそうです。
それに、この彼のがんばりのおかげで
われわれは最後にすばらしい贈り物をもらうことになるのですから。
      
ステージが暗くなり、流れてくるピアノのイントロ…
そう、それは「ファース・オブ・フィフス」!
      
いや〜、まさかこの曲がフルコーラスで聴けるとは!
それもドラマーの彼がヴォーカルでがんばってくれたおかげ。
…とはいえ聴き所はもちろん、すべてのプログレ者の心をわしづかみにして離さない
泣きまくるギターソロですけどね。
      
Y氏曰く「ハケットはテクニックをむやみにひけらかさない、
だけどすごいギタリストだよね」と語ってましたが
わたしもまったく同感です!
ふつう、ライブでこれだけ長いソロパートがあると
世のギタリストたちは、ここぞとばかりにアドリブのフレーズを加えたり、
無駄に小難しい技を誇示したがるものです。
しかし彼は一切そんなことをしません。
ほとんどレコードと変わらないフレーズを、しかし情感たっぷりに奏でます。
以前何かで、ハケットのそういうところが物足りないと評する人がいましたが、
的外れもいいところですね。
この曲のギターソロは、もはや手を加える余地などない、
緻密に構成された完成品なのです。
間違いなく、彼はその“完璧な美しさ”に自信を持っているのでしょう。
そしてわたしたちも、その“完成された美しいギターソロ”を聴きたいのです。
      
…「ファース・オブ・フィフス」の余韻に酔いしれながら、
ラストはソロからの曲で大団円。
会場全体拍手の渦。そしてスタンディング・オベーション。
      
みんなすばらしいパフォーマンスでした。
ただひとつだけ、残念というわけではありませんが
これをやってくれたら最高だったのに!と思ったのが
アニーとハケット二人による「リプルズ」。
彼女は以前、ジェネシスのトリビュート・アルバムで
この名曲を歌っているのです。
さすがにそれは欲張りすぎだろうというのはわかっていましたが、
心のどこかでほんのちょっと期待していたのもまた事実。
      
これはやはり、PROGRESSIVE ROCK FESが
第2回、第3回と続いていくことに期待しましょう。
そうすればいつか、アニーとハケットに限らずとも
そのような奇跡のジョイントをこの目で観、
この耳で聴ける日が来るかもしれませんからね。
      
とまあ、こうして
満足と感謝とそして飽くことのない欲望を我々の心に残し、
おっさんが最も熱く燃えた一日が終わったのでした。
      
・・・・・・・・・・・
      
さて、燃え尽きたあとは腹が減るもの。
フェスのあとは自宅近くの焼肉屋へ直行。両家の奥方を交えて夕食です。
わが家にとっては久しぶりの焼肉。
うちのパートナーは大の肉好きなんですが、
わたしが昔ほど肉食じゃなくなったもので…
      
てなこともあり、“奉行”はYさんにお任せ!
熱く燃えたハートを炭火に変えて、繰り出す華麗なトング捌き。
“しまちょう”、うまかった〜!
絶妙の焼き加減に感動です!
      
………じつはY氏、
プログレとモルトとアロハシャツのみならず
焼肉にもこだわる男だったのです。
      
      
      
      

2010-08-20

アスファルト・クローラー 2010。

      
      
暑い!暑すぎる!
      
新潟育ちのくせに寒いのが大の苦手、
そのかわり暑いのはけっこう嫌いじゃないはずのわたしですが
今年はさすがに少々バテ気味です。
      
街を歩くときに、遠回りでも地下街を歩いたり、仕方なく地上に出ても
わざわざ日陰の多いルートを歩いたりするようになってしまいました。
若いころなんて、汗をかくのもぜんぜんおっくうじゃなかったのになあ。
…おっと、これはもしかしてただ単に歳をとってしまったってことですか?
ま、歳のせいでも温暖化のせいでもくそ暑いことにかわりはないし。
今年の夏は、いつもよりしんどいわ〜。
      
ちょっと前ですが、麻布税務署と港都税事務所へ
もろもろ申告書類を提出しに出掛けたときはホント、死ぬかと思いましたよ。
電車なら一駅だし、ランチついでに歩いて行くかなんて、完全になめてました。
歩き始めて2分で後悔。
事務所のある赤坂から乃木坂を抜け六本木へと向かうルートは
微妙に青山墓地や檜町公園をはずれ、ただひたすら外苑東通りを歩くのみ。
アスファルトからの照り返しで体感温度は40度以上か。
しかも麻布税務署と港都税事務所、最寄り駅は同じ六本木でも
90°方向が違っていて、その上遠い遠い。
「国と都で管轄違うのはわかるけど、
利用者のことなんかカケラも考えとらんじゃないか!!」
と、なんだか怒りもこみ上げてくる
(そんなことは承知の上で出掛けたはずなのですが)。
      
さすがに六本木のど真ん中、熱中症で倒れてはシャレにならんと
AXISのリビングモチーフでキッチンウエアを眺めてひと休み、
ABCでファイドンの「シルバースプーン」を立ち読みしてひと休み。
ちょっとずつ休みを挟んでどうにか死の行軍を完遂。
なんか小さな達成感。でも来年はぜったい郵送にしよう…
      
おっと、そういえば昼飯がまだだった。
空きっ腹をかかえて飛び込んだのが六本木の中国飯店。
じつは酢が苦手で冷やし中華はあまり食べないのですが
ここにはゴマだれの「棒々鶏冷麺」があります。
とにかく冷たいモノを!と迷わずオーダー。
思ったより上品な味で、暑さにやられた体にはちょうどよかったかも。
とてもおいしかったです。
この日の苦行がちょっと報われた瞬間でありました。
      
この感動を忘れないうちに!
さっそくわが家でも作ってみました。
        
↓盛りつけはまったくかなわない…(味はもっとだろ)













                              
家で作る棒々鶏ソースは、どうしてもゴマの粉っぽさが残ってしまう。
どうしたら店のようなクリーミーさになるんですかね。
それと、もう一つ素朴な疑問。
白髪ネギを水にさらすとくるくるになってしまうんですが
どうすればまっすぐきれいにできるんでしょう?
普段、ニワカ知識をひけらかしてるくせに
じつはこういう基本的なことを知らなかったりするところが
日曜料理人のかっこわるさだよな…
      
翌週、残った棒々鶏ソースで「冷やし坦坦ソーメン」。
たまたま行ったスーパーにタレ付きの中華麺しかなかったんで
自宅にあるソーメンで作ってみました
(タレを残しても使うことなく捨てていたので
以前からもったいないと思っていたんですね)。













                              
上にのってる炸醤はじつは肉を使ってません。
肉の代わりはグルテンミート。
といっても嫁がマドンナ目指してるわけじゃないっすよ。
スーパーで買い物したあと立ち寄らなければいけないところがあって
この炎天下で挽肉はやばいな…と思い、試しに買ってみた次第。
細かく刻んで挽肉に見立ててみるも、このままじゃどうにもまずそうなんで
干しエビ、干し貝柱、干し椎茸の乾物オールスターを投入してます。
      
スープは昆布から取り、酒、味醂、醤油で味を調整。
      
炸醤も魚介系の乾物のうまみが主体ですし、和風のスープとも相まって、
結果、ソーメンによく合いました。
棒々鶏ソースも適度にコクをプラスしてますし。
まずまず成功じゃないでしょうか。
…相変わらずネギはくるくるしてますが。
      
それにしても、グルテンミートのおそろしいまずさにはびっくり!
乾物と甜麺醤でなんとかまとまりましたけどね。
しかしあんなもん食べるくらいなら、
豆腐のほうがはるかにいいと思うんだけど。
うまいし。安いし。
      
そうか。
よ〜く水を切った豆腐を細かく砕いて
それを挽肉代わりに炸醤作るっていうのもありかもしれないな。
今度試してみよう!
      
その炸醤使って麻婆豆腐とか。
      
ん? それってもしかして豆腐&豆腐?
      
………ただの肉ナシ麻婆豆腐じゃん!
      
      
      
      

2010-08-09

ラジオ酢豚の悲劇。

      
      
ついにNHKがやりました。
      
FMにて「今日は一日プログレ三昧」と題し
8日の午後12時15分から9日午前13時ちょうどまで、
12時間と45分間、プログレのリクエストのみをかけ続けるという
暴…いや快挙を成し遂げました。
      
前半のゲスト、KENSOの清水さんがオタ…いや、博識なのは知ってましたが
関根史織さんといううら若き女性、
Base Ball Bearというバンドのベーシストだそうですが、
なんなんですかこの子は!!
      
女性にも聴いてもらいたいかわいい曲です、とかいって
ゴングの「マスター・ビルダー」って…(笑)。
で、めちゃハマってるのがサムラ・ママス・マンナですか。
…畏るべし。
      
そして「プログレ諸国漫遊」というコーナーでは怒濤の辺境系3連発。
3曲も続けられると、どこまでがどの曲なのかまったくわからん!
しかも、唐突にフレーズが繰り返されるところなど
「さすが辺境(何がさすがだかよくわからないが)、変わった構成だなー」
と感心して聴いていたら
曲のあとにレコードの音飛びを謝ってるし。
まぎらわしいじゃないか!
      
そして極めつけの
アルタード・ステイツによる「宮殿」完コピ・生ライブ。
インプロ部分もレコード通り完全再現という、
意味ないようなあるような、この矛盾撞着ぶりがプログレっぽい。
すさまじい演奏が意味論的カオスにさらに拍車をかけます。
      
…あまりの内容の濃さにビビリながら聴いてましたが
さすがに13時間近い長丁場とあって
後半はちょっとパワーダウン。
特にラスト1時間を切ってからの選曲はもう少し考えて欲しかったなあ。
カンサス、ラッシュ、UK…。わたしも好きですが、
この時間帯でかけるべきじゃなかった。
聴いてる人たちみな、「VDGG、カーヴド・エア、(その他もろもろ
それぞれご贔屓のミュージシャンたち)」は、かかるのか?
と、固唾を呑んで待ちかまえているところに
「ナッシング・トゥ・ルーズ」じゃ、そりゃズッコケますって。
MCの山田五郎さんはカンサス、ラッシュで完全にテンション下がっちゃってるし
(彼は自ら“ヨーロッパ偏重主義”といってましたね)。
もっと番組の前半、導入のあたりで軽めにかけてくれたらよかったのに。
彼らに対するこの扱いは、わたしなんかからすると
逆に愛がないんじゃないかと思ってしまうわけです。
      
とはいえ、よくぞやってくれました。
10代のころは音楽との出会いの場としてかけがえのない存在だったラジオ。
それがいつからか露骨なプロモーションが幅を利かせるようになり
この20年余りは“ラジオで音楽を聴く”ことをすっぱりあきらめていました。
でもまあ、せっかくチューナーも買ったことだし
これからはまた、たまにラジオも聴いてみますかね。
      
      
↓プログレ三昧聴きながら作った黒酢酢豚。
 からめるタレが少なすぎて失敗。
 しかも棚から皿を出すときにあわててしまい、隣の丼が落下して大破。
 …「宮殿」生ライブをちゃんとリビングで聴きたかったんだよ!













                         

2010-08-03

星を往くもの。

      
       
またひとり、好きなSF作家が星々の世界へ旅立ってしまいました。
ジェームス・パトリック・ホーガン。
7月12日、享年69歳でした。
      
前回のブログでプログレ・オールタイム・ベストの話をしましたが、
この作家のデビュー作「星を継ぐもの」は、
わたしのSFオールタイム・ベストかも。
出会ったのは大学生の頃。
眠るのも忘れ(ついでに講義も!)一気読みしたのを憶えています。
ことこの本に関しては、以前紹介したテッド・チャンみたいに
「文学的相克が…」とかなんとかいう面倒な言葉は一切不要。
とにかく面白い!の一言!
       
月面で“5万年前に死んだ宇宙服を着ている人類の死体”が発見される。
そんな摩訶不思議な事件を発端として
全篇、謎に次ぐ謎、推理に次ぐ推理。
そして最後にたどり着く、人類、いやいや太陽系の成り立ちをも巻き込む
驚天動地の結論、さらにだめ押しの一手。
まさにカタルシスの塊みたいな小説です。
      
あまりにも面白いので、ほとんどSFを読まない人に
きっかけになればと薦めたりしたこともあるんですが
どうもいい反応が返ってきたためしがない。
これこそこの本における最大の謎といえるでしょう。
      
さらに、わたしなんかは常々
ハリウッドはホーガン作品をこそ映画化すべきだ!と思っているのですが
これまたそんな気配もないのが不思議です。
少なくともディックなんかよりよほど映画的なんですがね。
「トータル・リコール」が再映画化されるそうですが、
いいかげんもう“ディック原作のディックらしくない映画”はいらんでしょう。
      
謎解きがほとんど会議室でなされていく(笑)「星を継ぐもの」は
さすがに映画化しづらいでしょうが、他の作品、たとえば
「造物主(ライフメーカー)の掟」などは非常に向いてると思うのです。
      
“突然変異”した“自動工場”が土星の衛星タイタンで進化し
機械生命による独自の生態系を形成。
その中で最も進化したグループは文明を持つにいたり、
そのレベルは人類史における中世ヨーロッパにそっくりだった…
薄暗い氷の大地の上(でもそこには、その環境に適応した
“植物”や“獣たち”が息づく“自然”がある!〈もちろん、全部機械です〉)を
どこか中世の甲冑に似た機械たちがガシャガシャと歩き回るなんて
メチャメチャ“絵”になると思いませんか?
ちゃんとアクション場面もありますよ。
しかも、“機械生命=人類の脅威”として描くような
ありがちなストーリー展開ではありません。
むしろ怖いのは人間側の思惑。
それをなんとか食い止めようとするのが
うさんくさい心霊パワーを売り物にする詐欺師チームという設定も
ちょっとひねりが利いてます。
異世界、異様だけど愛すべきキャラクター、陰謀、アクション、
そして大団円。さらに続編もあるので当たればシリーズ化のおまけ付き!
いや〜、ヒットの要素てんこ盛りなんだけどなぁ〜。
ハリウッドのお偉いさん、どうして気付いてくれませんかね?
      
90年代以降は、度を過ぎたオプチミズムと政治思想、
果ては“トンデモ学説”に傾倒したり…と
ちょっとついて行けない感じもあったホーガンですが、
それでも初期作品の輝きが失われることはありません。
たしかに初期にも見られる楽天性は(今の目では特に)
ナイーブすぎるといわれてもしかたないでしょう
(以前提示したわたしの定義からすれば“過去の傑作”ですね)。
でも、「ホントにこんな世界になったらいいのに!」と
素直に思えた若いころの自分がいたこともまた事実。
わたしにとっては、そんなノスタルジーもちょっと込みで
かけがえのない傑作たちでありました。
      
ご冥福をお祈りします。
      
      
      
      

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