2010-04-19

♪ いっぱい弾けて〜、いっぱい叩ける〜。─「Vimana」NOVA─

      
      
4月13日、東京国際フォーラム・ホールA。
行ってきましたぜ、ジェフ・ベック!
いや〜、年取りませんね、この人。
パワー全開ナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムや
ロンダ・スミスのブリブリ・ファンク・ベースをバックに
バリバリ弾きたおしておりました。
      
な〜んて偉そうに書いてますが
じつはわたし「ワイアード」しか持っていないという
とんでもない不届き者。
チケットぴあのボタン押してしまったのは
ナラダの名前についつい反応してしまったから。
「ワイアード」から「レッド・ブーツ」しかやらなかったのは
そんなわたしみたいな客に対するイヤミでしょうね。
      
それにしてもナラダ、
昔のスラリとした頃しか知らないので
あの巨体っぷりはちょっと心配しましたが
予想以上によかったので一安心。
マハヴィの頃に比べフレーズが少々単調…?
とも思ったけど、巨体を活かした(?)重いビートと
相変わらずの手数の多さは圧巻でした。
      
今回の公演に行って、去年も行っておけばよかったなーと今さらながら後悔。
去年のドラマー、ヴィニー・カリウタはどうだったんだろう。
      
余談ですが去年のそのころは、ベックにカリウタを取られた
「チック・コリア&ジョン・マクラフリン」のほうへ行ったんですよね。
その時はカリウタの代役ブライアン・ブレイドがめちゃすごかったんで
むしろベックに感謝したものですが(笑)。
      
マクラフリンの名前が出ましたが
マクラフリンといえばマハヴィシュヌ、
第2期マハヴィシュヌ・オーケストラのドラマーはもちろん
ナラダ・マイケル・ウォルデン、というわけで
おお〜、輪が閉じましたね〜。
これぞ輪廻!これぞヒンドゥーの教え!(なわけない)。
      
マハヴィのナラダもカッコイイのですが、
わたし的にインパクトが強いのは
若いころに聴いたノヴァというバンドの「ヴィマナ」というアルバム
(写真はCDですが当時買ったのはもちろんLP!)。
 












                                
イタリアン・ロックのバンド、オザンナやウーノにいたメンバーが結成した
ジャズ・ロック・バンド、それがノヴァ。
じつはイギリス以外のユーロ・プログレは苦手でして
ほとんど聴かないんですが
なんとこのアルバム、パーシー・ジョーンズが
ベースを弾いてるっていうじゃないですか。
何を隠そうパーシー・ジョーンズといえば、
ティーン・エイジャーの頃以来のわたしのベース・ヒーロー。
この人にあこがれてベースを買い、
この人のように弾くのは不可能だと挫折した(その間一週間)、
そんな青春のほろ苦くも切ない思い出に彩られつつ
わたしの中に君臨するキング・オブ・ベーシストです。
このアルバムの存在を知ったのが80年代前半。
当時は“プログレ冬の時代”で、過去の名盤も普通のレコード屋には
売っておらず、人知れず(?)輸入盤が高値で取引されていました。
パーシー・ジョーンズの参加しているアルバムなら
すべて集める勢いだったわたしは、ヒマさえあれば
西新宿の怪しいレコード屋をハシゴしていましたっけ。
このアルバムを見つけたときはそれはもう、うれしかったですね〜。
      
というわけでパーシー・ジョーンズ目当てで買ったノヴァ。
ところが聴いてびっくり、
パーシーの変態ベースに堂々渡り合うドラムがすばらしい!
これがナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムを聴いた初めての瞬間でした。
      
ゲスト・ミュージシャンとは思えない遠慮のなさで
パーシーもナラダも弾きまくり!叩きまくり!
やっぱりこの手のジャズ・ロック系は
まずは手数の多さが単純に気持ちいいですね。
さらにナラダのキレ、パーシーのオリジナリティ。
ついでにフィル・コリンズもパーカッションで参加!
プロデュースはロビン・ラムリー!
曲もよく(ラスト・ナンバーはナラダの書いた曲ですが、
そのキャッチーなメロディーは今聴くと
後のプロデューサー時代の萌芽とも思えます)
録音もクリア(ブランドXはひどいのに…涙)で
すばらしい内容は探し回った甲斐があったというものです。
      
このアルバムをきっかけに
一躍気になるドラマーとなったナラダを求めて
マハヴィシュヌを聴き、マクラフリンからトニー・ウイリアムスへ流れ、
そして最後にはとうとうマイルス・デイヴィスにたどり着く…
まるで教典を求めて聖地へ赴くがことき
ジャズ・ロック巡礼の旅へ出ることになるわけです。
       
NOVA=新星というのは、その名前に反して
じつはすでに一生を終えた星が再び急激に輝く現象なのだとか。
オザンナを分裂させ、ウーノをも解体したノヴァのメンバーにとって
この「ヴィマナ」というアルバムは
たしかにそんなアルバムだったといえるかもしれません。
      
しかしまだ音楽という宇宙のとば口に立っていた若いわたしには、
その名に違わぬ
新たな世界の幕開けを告げる星だったのです。
      
      
      
      

4 件のコメント:

  1. こんにちわ。初めまして。私は、アランホールズワースが弾きたくて、ギター始めました。手が小さいので永遠に無理だと悟りました。プログレは、スコアが少ないですね。耳コピしかできないのですが、クリムゾンやブランドx を(コードなんかかなり怪しいと思うのですが)できる曲だけ練習してます。
    ピンクフロイドはわりとスコアが、でてるんですが、クリムゾンはシンコーミュージックの宮殿しかないんです・・・
    ホールズワースは、2冊もってます。弾けないですね~。

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  2. クリムゾンやブランドXを耳コピなんてすごいですね!
    それも相当すごいんじゃないかと思うのですが…
    それでもホールズワースは難しいですか〜。たしかに、わたしのような楽器できない人間が聴いてもひしひしと難解さが伝わってきますもんね。
    でもホールズワースはいいですよね!わたしも大好きです!

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  3. オッ!!!
    ノヴァ=ヴィマナ・・フリークかい!
    発売当時はぶっ飛んでましたねーまったく
    ノヴァ=ファーストのブリンクス(まばたき)のジャケ・デザインのセンスとサウンドの流れで待っていたセカンドは最高のサウンドであった。
    後のフュージュン、クロスオーバーの原点!
    裏のメンバーも凄かった、プロデュースにはフーのピートタウンシェンドのからんでいたしナ。
    総合評価で小生は、録音が凄いと思ったものです!
    非常にクリアー!!
    そう思いませんか??

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  4. 確かに!
    録音、最高ですね。
    現在アナログを聴けない環境なんですが
    近いうちに何とか復活させて
    またあのLPの音を聴きたいなあ。

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