2010-04-03

史上最強の助っ人。─「Drama」Yes─

         
          
マリーンズ絶好調!
ついに単独首位に立ってしまいました。
でもまさかこのまま行くはずないしな〜。
何かきっと大きな落とし穴が待っているに違いない…
          
すいません、ついついネガってしまうのは
80年代・90年代を過ごすあいだに
真っ黒い煮染めのごとく
ぐつぐつ煮込まれて染みこんだ古株ファンのサガですな。
まあ…今年は監督替わって1年目、
地固めをするくらいのつもりでやってもらえればいいのですが。
          
でも野球はまさに“筋書きのないドラマ”。
特にパ・リーグは何が起こっても不思議じゃない。
ここ数年の各チームの順位変動は異常ですからね
(ホントは里崎のホクロの大きさくらいは期待している)。
          
そういえばその昔、プログレ界にも
“筋書きのないドラマ”を地でいくバンドがありました。
当時その事件には“江川の空白の一日”並みに驚かされたなあ。
1980年、「裏技にもほどがあるだろ!」と誰もがつっこんだ、
“イエス・バグルズ合体事件”です。
          
バグルズの二人、後の活躍を見れば高い音楽性に納得するものの、
当時といえば、まだ「ラジオスターの悲劇」を一発当てたばかり。
しかもそのヒット曲と来たら「あんわ♡あんわ♡」ですよ!?
でっかいサングラス掛けて、完全にイロモノだと思っていたら
なななんと待ちに待ったイエスのニューアルバムに
正式メンバーとしてクレジットされているじゃないですか!
“イエスの魂”ジョン・アンダーソンと“金ピカマント”リック・ウエイクマンが抜け、
よりにもよってバグルズが加入するなんて!?
後々になって、同じマネージメントだった、とか理由を知ることになるわけですが
まだあまり情報のなかった当時、こんな組み合わせを誰が予想できたでしょうか?
これぞ筋書きのないドラマ、驚天動地の裏技です。
             
そのニューアルバムのタイトルこそ…ずばり「ドラマ」。
できすぎです。













                         
そしてもう一つのドラマは
そのころ高校生だったわたしがこのアルバムを買っちゃったことでしょうか。
なんたってまだ、「こわれもの」も「リレイヤー」も持っていなかったのに
こんな問題作を買いますかね?
しかも当時の経済状況(要するにお小遣いね)を考え合わせると
これは相当なギャンブルだったはず。
何に惹かれたのか自分でももうよく憶えていません…
が、いずれにせよその頃はわたしも思い切りが良かったんですね。
若いってすばらしい。
そしてその若さ故の無謀な決断は、見事報われることになるです。
          
以前のブログでも触れましたが、
じつはこのアルバムこそ、奇跡の大傑作、というのがわたしの評価。
最近はファンのあいだでも再評価の気運が高まっているようですが
発売当時はけっこう酷評されていたような。
でもわたしにはその頃からとても好きなアルバムでした。
何がいいって、アルバム全体を貫く躍動感。
ベーシックトラックをプロデュースしたのがエディ・オフォードだ、とか
そんな後知恵はともかく、とにかくクリス・スクワイアのベースが
ブリブリ元気がいい!
ベース・フェチのわたしはまずこれでやられました。
そして、スティーブ・ハウも生き生きとギターを引き倒してる
(スリーブにはなぜかハウだけ使用楽器のクレジットが。
しかも曲別に細かく!(笑)頑張ったんだってことを知って欲しかったんだね)。
で、問題のバグルズ組。これが予想外にハマってるじゃないの!
たしかに、ウエイクマンのキーボードはきらびやかで豪華なんだけど
その音数と音色の多さが、ともすると
曲全体の流れを止めてしまうきらいがあったのに対し、
ジェフ・ダウンズのキーボードは比較的シンプルなフレーズで
スケール感は演出しつつも曲の勢いを削ぎません。
心配されたトレバー・ホーンのボーカルも問題なし!
というか暴論覚悟で言うなら、終始バックで歌いっぱなしのスクワイアの声、
これさえあれば、リード・ボーカルの声が少々変わったところで
“イエスの声”になっちゃうんじゃないかとわたしはにらんでいるんですがね。
(じつはバンド運用面でもスクワイアこそが“魂(てかバンマス)”だったわけですが)
というわけで、もっとちゃらちゃらした音になると予想していたアルバムが
(だって「トーマト」イエスと「ラジオスター」バグルズの合体ですよ!)
疾走感バリバリ全開のまさかのハードロック・アルバムに。
もともとハードロック的な音の大好きだったわたしには
ど真ん中の直球ストライクだったわけです。
          
二人の重要メンバーが抜け、解散してもおかしくない危機的状況が一転、
意外な助っ人によってこんな傑作をモノにしてしまうんですから
世の中何が幸いするかわかりません。
          
バグルズ、ようやった!
起死回生の代打逆転ホームランや!
(テギュンもこのくらいやってくれないかな)
      
      
      
      

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